トリノFC情報局

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【さよならペトラーキ】トーロの新DSは、だあれ?

さて昨日チャンピオンズリーグの決勝が行われた。今季はヨーロッパリーグと同じくイングランド勢同士の対決。今季トーロに手一杯だった筆者は今季チャンピオンズリーグをそこまで見ておらず、「アヤックスすげえ」「白黒おい!」といった陳腐な印象しか持っていなかったが、やはりファイナルはすごい。そもそもスタジアムがすごい。

 

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アトレティコ・マドリーがホームとして使用しているエスタディオ・メトロポリターノでの開催だったわけだが、超満員の中Imagine Dragonsのパフォーマンスでウォーミングアップを完了させた会場はファイナルならではの雰囲気を放っていた。画面越しにでもあの雰囲気なのだから、その場にいる選手やスタッフ、観客たちの感情は表現しきれないものがあったことだろう。試合内容には敢えて触れないが、CLアンセムで火蓋が切って落とされたファイナルの空気に筆者も鳥肌が立ったことは言うまでもない。起きててよかった。

 

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試合前にも黙祷が行われたが、ファイナルを前にサッカー界を揺るがす悲劇が起きてしまった。元スペイン代表FWのホセ・アントニオ・レジェスが死去したのである。享年35。交通事故でのあまりにも早すぎる訃報だった。

 

彼を知っているから、知らないからという話ではもちろんないが、名前をよく知る選手がこんなにも早くこの世を去ってしまうというのは、とてもやり切れない思いだ。レジェスもかつてプレーしたマドリーの地で、彼に捧げる試合を繰り広げたリヴァプールトッテナムの両軍には拍手を送りたい。天国のレジェスもきっと見ていたはずだ。どうか安らかに。

 

 

 

さて、今日はトーロの新DSについて書いていきたい。DSとは所属選手との契約延長の話し合いをしたり、獲得候補を吟味し交渉に向かったりするお仕事。毎年カルチョメルカートでは各クラブのDSたちが暗躍しビッグディールを成立させては賞賛されたり、時にはエムバイェ...ゴホン、”失敗”として記憶されるような選手たちを買って批判の的になったりしている。トーロの現DSはジャンルーカ・ペトラーキだ。

 

DS?SDじゃね?

 

実際はどちらも正解だ。SD(Sports Director)英語圏DS(Direttore Sportivo)はイタリアでの呼び方である。筆者はこれまでSDと呼んでいたがちょっとイキりたいのでこれを機にイタリア語での呼び方に変えさせてもらおうと思う。

 

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ここ最近報じられている通り、現DSのペトラーキはASローマに仕事場を移すことが時間の問題となっている。というか既にあちらでの仕事も始めているらしい。ここ10年トーロのDSとして辣腕を振るってきたペトラーキだが、トーロ会長ウルバーノ・カイロとの関係は既に修復不可能なところまで来ており、さながら「ちょっと距離を置こう」という片方からの謎の提案に合意し結局はそのまま別れてしまうカップルのような状態が続いている。

 

ペトラーキのトーロでの見事な仕事ぶりは下記のエントリーにまとめてあるので、こちらも是非参照されたい。

2年以内に欧州へ。トーロに今必要なのは「結果」 - トリノFC情報局

 

ヨーロッパの舞台へ向けクラブ一丸となるべきシーズン中にもかかわらずローマとの接触が報じられたため、ティフォージの大半から”裏切り者”の烙印を押されてしまったペトラーキだが、10年前にはセリエBにいたトーロが近年ヨーロッパの舞台を争えるほどの成長を遂げたのは彼の功績によるところがかなり大きい。後釜となる人物にはその座に相応しいノウハウが求められる。

 

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そんな後任候補の筆頭となっているのがこの人物。名をマッシモ・バーヴァという。彼は既にクラブの人間であり、このままペトラーキの後釜として据えられた場合内部昇格という形の人事となる。しかし彼の現職はいったい何なのか?DSとしての能力は如何なものだろうか?

 

バーヴァの現在の肩書きはResponsabile del settore giovanileプリマヴェーラを頂点とするユースセクター全体を統括する責任者である。略してRSGとでも呼ぶか。RSGはトップチームで言うなればそれこそDSがそれに当たる。選手をリストアップし交渉に向かい契約を結ぶ。そういったプロセスに関してバーヴァは既に経験者というわけだ。

 

2012年に現職に就任したバーヴァだが、RSG(合ってんのかな?)としての実績も素晴らしいものがある。14/15シーズンにプリマヴェーラは23年ぶりとなるスクデットを獲得した上、翌シーズンのスーペル・コッパも制覇。17/18シーズンにはコッパ・イタリアでも優勝を果たした。バーヴァはその見事な手腕でプリマヴェーラを勝てる集団へと変えた人物なのだ。トップチームにも何人もの卒業生を送り出している。ちなみに、指揮官フェデリコ・コッピテッリに率いられたプリマヴェーラは今季もスクデット争いを演じているところだ。

 

いや、当然トップとプリマヴェーラは土俵が違う。動くカネも大きく違う。しかし、マッシモ・バーヴァがジャンルーカ・ペトラーキの後釜を務めるのに充分な能力を持ち合わせた人物であることは信じてもいいはずだ。今夏は彼が主導となって突入する初めてのメルカート。注目だ。カプラーリ連れて来い!

 

おしまい