【2022/2023選手紹介】La rosa del Torino FC
コーチングスタッフ
監督 イヴァン・ユリッチ / Ivan Jurić
国籍/代表歴 : 元クロアチア代表
生年月日 : 1975/8/25
利き足 : 左
昨季からトリノの指揮官に就任すると、残留争いに巻き込まれていた当時のチームに魂を吹き込み復活させた名将。3-4-2-1×マンツーマン×ハイプレスをブレることなく徹底する事で知られ、試合中は基本的に地面に片膝をついて動向を見守る。ヴァニャーティSDとの喧嘩動画が話題となったが、後に笑いながら「あれはワザと仕掛けた」と激白するサイコパスでもある。現役時代は攻守に貢献するセンターハーフとして主にクロトーネやジェノアで活躍。
助監督 マッテオ・パーロ / Matteo Paro
国籍/代表歴 : イタリア
生年月日 : 1983/3/17
利き足 : 右
ユリッチ不在時に代役として指揮官を務める副官。ユリッチの右腕となってから5年目を迎えており、彼の哲学は熟知している。現役時代はカルチョスキャンダルの罰則によりセリエBに降格したユヴェントスでセンターハーフのレギュラーとして活躍し、クラブのA復帰に貢献したというなんとも消したい、薄暗い過去を持つ。ユリッチとはジェノア時代からコンビを組んでいるが、現役時代も共にプレーした経験がある。
ゴールキーパー
1. エトリト・ベリシャ / Etrit Berisha
国籍/代表歴 : アルバニア代表
生年月日 : 1989/3/10
利き足 : 左
過去にラツィオやアタランタ、SPALなどでプレーしセリエAの舞台も実に10年目を迎えるベテラン。昨年の加入当初は第2キーパーだったが、晴れてプレータイムを手にした昨季後半も安定感に乏しいパフォーマンスを見せたためベンチに逆戻りしてしまった。飛び出しのタイミングは非常に素晴らしいが若干ポカが多い。今季も負傷離脱により少し出遅れてのスタートとなる。
32. ヴァンヤ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチ / Vanja Milinković-Savić
国籍/代表歴 : セルビア代表
生年月日 : 1997/2/20
利き足 : 右
昨季後半こそベリシャにポジションを譲ったものの、根気強く起用された結果継続性と安定感を手に入れつつある。元々持っていた正確かつ飛距離の長いフィード力に加え、セービングに関しても一段階成長した印象だ。改善点として挙げられるのはカバーリング。ルーズボールに対しての飛び出しを躊躇するシーンが散見されるため、今季はもう少し判断力を上げて思い切りの良さを見せたい。
89. ルカ・ジェメッロ / Luca Gemello
国籍/代表歴 : イタリア
生年月日 : 2000/7/3
利き足 : 右
アンダー世代の代表歴を持つ下部組織出身のシュートストッパー。ミリンコヴィッチ=サヴィッチがコロナウイルス感染により欠場した昨季第21節フィオレンティーナ戦でセリエAデビューを果たし、見事クリーンシートを達成している。ベリシャも「反射神経が素晴らしい」と実力を評価しており、将来が楽しみな逸材だ。ローン修行の噂もあったが今夏はとりあえず残留。
センターバック
3. ペル・スフールス / Perr Schuurs
国籍/代表歴 : オランダ
生年月日 : 1999/11/26
利き足 : 右
アヤックスからの完全移籍で加入。イタリアでのデビュー戦となった第3節クレモネーゼ戦では空中戦全勝&デュエル勝率9割という破壊的なスタッツを残し、セリエAのアタッカーたちに宣戦布告している。フィジカルを活かした守備はもちろん、さすがアヤックス産だけあって足下の技術が非常に高い。ズバッと通す縦パスはユリッチのトリノにおいても大きな武器となるだろう。同い年だがデリフトの後継者として注目を集めた。
4. アレッサンドロ・ブオンジョルノ / Alessandro Buongiorno
国籍/代表歴 : イタリア
生年月日 : 1999/6/6
利き足 : 左
プリマヴェーラからの生え抜きで元アッズリーニ。センターバックの真ん中と左でプレーできるが、今季は主に真ん中で起用されブレーメルの穴を完全に埋めている。セリエAここまででインターセプト数1位、空中戦勝数3位を記録している事実はロベルト・マンチーニの目にも留まっており、アッズーリ招集への夢ももはや現実的なものとなってきた。スフールスとのハイレベルなレギュラー争いにも注目だ。
6. ダヴィド・ズィマ / David Zima
国籍/代表歴 : チェコ代表
生年月日 : 2000/11/8
利き足 : 右
セリエA2年目を迎えた有望株。昨季はイタリア初挑戦ながらも20試合に出場しており、ユリッチからも一定の評価を得ている。若くしてチェコ代表で既に10キャップ以上を数え、国際舞台での経験も豊富だ。プレシーズンに負傷しやや出遅れてのシーズンインとなったため、しばらくはベンチから試合を眺める事になりそう。能力的にはレギュラーを狙える器のため、持ち前の真面目な性格で来るべきチャンスに備えたい。
13. リカルド・ロドリゲス / Ricardo Rodríguez
国籍/代表歴 : スイス代表
生年月日 : 1992/8/25
利き足 : 左
左のセンターバックで不動の地位を築く。戦力外になりかけていた2シーズン前が今や嘘のように欠かせない存在となっている。上背はそこまで無いが、読みの鋭い守備と機を見た攻撃参加、高いテクニックを活かしたプレス回避やビルドアップなど、ユリッチのトリノにおいて彼の存在はもはや戦術の一部だ。紆余曲折あってキャプテンマークを巻く事にもなり、その豊富な経験で若きチームを牽引する。
26. コフィ・ジジ / Koffi Djidji
国籍/代表歴 : コートジボワール
生年月日 : 1992/11/30
利き足 : 右
出足の速いインターセプトや強靭なフィジカルを活かしたハードチャージが武器。トリノでのシーズンは5年目となる。2シーズン前監督人事の影響もあって戦力外となり一度クロトーネにローンで放出されてしまうが、それ以外のシーズンは基本的にレギュラークラスとしてチームに貢献。今季も右のセンターバックでレギュラー候補の筆頭だ。昨季はリゴーレを相手に献上するミスを通算で3度犯したものの、それでもユリッチからの信頼は変わらない。
ウイングバック
2. ブライアン・バイェイェ / Brian Bayeye
国籍/代表歴 : フランス
生年月日 : 2000/6/30
利き足 : 右
セリエCのカタンザーロで年間最優秀選手に選ばれ、トリノにステップアップした。身体能力を全面に押し出したプレーが特徴で、運動量とクロスの精度で勝負する右ウイングバックだ。未だセリエAデビューの機会は訪れていないが、コッパ・イタリア第1ラウンドのパレルモ戦では途中出場し右のセンターバックでテストされている。まだまだユリッチを説得するには至っておらず、冬のローン修行も視野に入ってくるか。
17. ウィルフリード・シンゴ / Wilfried Singo
国籍/代表歴 : コートジボワール代表
生年月日 : 2000/12/25
利き足 : 右
爆発的なスピードと大胆かつトリッキーなドリブルで右サイドを切り裂く。速すぎてティフォージからフレッチャグラナータ(イタリアの特急電車フレッチャロッサと掛けている)と呼ばれ親しまれている。ウイングバックに超攻撃的な姿勢を求めるユリッチからは「シーズン5得点」とリクエストされており、アシストも含めゴールに直結するプレーが求められる。ピッチを出るとインタビューで見せるシャイボーイっぷりがギャップ萌え必至。
19. ヴァレンティーノ・ラザーロ / Valentino Lazaro
国籍/代表歴 : オーストリア代表
生年月日 : 1996/3/24
利き足 : 右
アンサルディの退団で層が薄くなったウイングバックの新戦力として、インテルからの買取オプション付ローンで加入。イタリア上陸後は持ち前のドリブル突破が鳴りを潜めており評価を落としているが、ユリッチ曰く「改善できるポテンシャルはある」。本人もトリノでの再出発に大きな意欲を見せているが、第4節アタランタ戦でリゴーレを献上しいきなり向かい風に立たされている。
27. メルギム・ヴォイヴォダ / Mërgim Vojvoda
国籍/代表歴 : コソヴォ代表
生年月日 : 1995/2/1
利き足 : 右
フットサル選手のような繊細なテクニックで相手を翻弄する。本職は右サイドだがユリッチの手によって昨季左サイドにコンバートされ、トリノでのレギュラーポジションを手にした。兄貴分だったアンサルディから受け継いだキックフェイントからのクロスは、分かっていても止められない彼の大きな武器。トリノでの練習初日に間違えて「メグリム」と呼んできたユリッチを恨んでいる。
34. オラ・アイナ / Ola Aina
国籍/代表歴 : ナイジェリア代表
生年月日 : 1996/10/8
利き足 : 右
両サイドをこなせる貴重な駒として重宝されるテクニシャン。ジジと同じく加入後5年目を迎えた。相手の重心をズラして守備を剥がすドリブルが武器で、味方との変幻自在なポジションチェンジで崩すプレーも得意。しかし守備面に不安があり好不調の波も激しいため、レギュラー奪取には至っていない。ロッカールームではDJを務めており、いつもヒップホップを爆音で流している。
センターハーフ
10. サシャ・ルキッチ / Saša Lukić
国籍/代表歴 : セルビア代表
生年月日 : 1996/8/13
利き足 : 右
19歳の時トリノに加入し今年で7年目を迎えるチーム最古参。攻守において質と量を保証する現代的なそのプレースタイルは、トゥットカンピスタ(万能型ミッドフィールダー)と表現される事もしばしば。ベロッティの後任キャプテンに任命されていたが、今季開幕直前にクラブと契約延長交渉の件で一時的に対立し練習をボイコットする事件を引き起こしたため、落とし前としてアームバンドをロドリゲスに譲り渡している。
14. エミルハン・イルカン / Emirhan İlkhan
国籍/代表歴 : U-21トルコ代表
生年月日 : 2004/6/1
利き足 : 右
18歳という年齢ながら前所属ベシクタシュでの契約にバイアウト条項が盛り込まれていた事からも分かる通り、トルコで大きな期待を集める超新星。足下の技術に絶対的な自信を持っており、リスクの高いコースのパス選択や積極的にドリブルで剥がそうとする思い切りの良さがストロングポイント。トリノ移籍が決まった直後、ベシクタシュの会長が「電話で慰留を試みた」とクラブ残留を直接説得しようとした事を明かした。
21. ミシェル・アドーポ / Michel Adopo
国籍/代表歴 : フランス
生年月日 : 2000/7/19
利き足 : 右
下部組織時代の4年前トリノに加入した大型センターハーフ。アンダー世代でのフランス代表選出経験を持つ。プリマヴェーラ卒業後ヴィテルベーゼへとローン修行に出向き評価を上げ、今季トップチームでのチャンスが巡って来た。恵まれた体躯を活かしたデュエルの強さはまさにユリッチ好み。プレシーズンではセンターバックでもテストされ及第点の出来を見せたため、今後新境地を開拓する可能性もあり得そう。
28. サムエレ・リッチ / Samuele Ricci
国籍/代表歴 : イタリア代表
生年月日 : 2001/8/21
利き足 : 右
イタリア国内のみならずプレミアリーグの強豪などからも注目されていたが、1月に新天地としてトリノを選んだ若き司令塔。ピッチ全体を俯瞰できる視野の広さやパス精度、展開力に守備時の危機察知能力など長所を挙げればキリが無い。前所属エンポリでは真逆と言ってもいい戦術の下でプレーしていたためユリッチのサッカーへの適応は時間を要すると予想されたが、瞬く間にチームにフィットし不動の地位を築いている。
77. カロル・リネッティ / Karol Linetty
国籍/代表歴 : ポーランド代表
生年月日 : 1995/2/2
利き足 : 右
2年前の加入以降本来の力を発揮出来ていなかったため放出候補に挙げられたが、前述のルキッチ事件の際代役として出場した第1節モンツァ戦で見事なパフォーマンスを見せ、一気にレギュラー候補となった。豊富過ぎる運動量と黒子役に徹する事の出来る献身性が大きな魅力。完璧なチームプレイヤーであり、鬼軍曹として知られるユリッチですら「練習で手を抜く彼を見た事が無い」と称賛するほど。
シャドー
7. ヤン・カラモー / Yann Karamoh
国籍/代表歴 : コートジボワール
生年月日 : 1998/7/8
利き足 : 右
フランスとの二重国籍を持っており、アンダー世代ではフランス代表としてプレー。19歳の時インテルに引き抜かれ将来を嘱望されたが、ローン修行先のボルドーで態度の悪さを理由に干されるなど素行不良が目立ち未だ才能を開花させられていない。トリノとは1年契約を結んでおりクラブを納得させれば自動的に契約が延長されるという契約形態のため、一刻も早くコンディションを上げてユリッチにアピールしたい。
16. ニコラ・ヴラシッチ / Nikola Vlašić
国籍/代表歴 : クロアチア代表
生年月日 : 1997/10/4
利き足 : 右
プレミアリーグからやって来た補強の目玉。開幕から3ゴールを挙げる活躍で早くも攻撃の中心的存在となっており、クラブは既に買取に動いているとの情報も。「ユリッチの指導を受けたかった」と語っており、同胞指揮官の存在がトリノ加入を後押しした形だ。とにかくキープ力が高く、簡単にボールを失う事はまず無い。背番号は8を希望していたが加入当初セグレが着けていた(その後パレルモへ移籍)ため倍の数字を選択。
23. デンバ・セック / Demba Seck
国籍/代表歴 : セネガル代表
生年月日 : 2001/2/10
利き足 : 左
手足が非常に長く、大きなストライドを活かしたドリブル突破が長所。ユリッチからの期待は非常に大きく第6節インテル戦では先発出場を果たしている。フィニッシュ精度の低さが現状の課題だが、プレータイムを重ねていくにつれて改善されてくるはず。SPAL時代才能を見出したヴァニャーティSDにはスパイクを買ってもらった過去があり、今も感謝していると語っている。感情が顔に出やすいところがチャームポイント。
36. マシュー・ガーベット / Matthew Garbett
国籍/代表歴 : ニュージーランド代表
生年月日 : 2002/4/13
利き足 : 右
プリマヴェーラ卒業1年目。弱冠20歳という年齢ながら母国ニュージーランドの代表では既に常連となっている。3-4-2-1のフォーメーションにおいてはシャドーが適正だが、本職はインサイドハーフ。中盤でゲームメイクに参加しながら機を見てゴール前に飛び出し得点機に絡む。未だセリエAでの出場経験は無いが、ローン修行に出さずチームに残す道を選んだクラブの判断は期待の表れ。先輩たちのプレーからどれだけ吸収出来るか。
49. ネマニャ・ラドニッチ / Nemanja Radonjić
国籍/代表歴 : セルビア代表
生年月日 : 1996/2/15
利き足 : 右
ボールを持ち次第まずは仕掛けるドリブル小僧。闇雲に仕掛けているようにも見えるが、独特なリズムから繰り出されるドリブルはチーム最強とも言える切れ味を誇っており、成功率も非常に高い。過去数シーズン負傷離脱に悩まされコンスタントなプレータイムを得ておらずコンディションが懸念されたが、トリノ加入後は軽快な身のこなしで好パフォーマンスを連発しており特に問題は無さそうだ。
59. アレクセイ・ミランチュク / Alexey Miranchuk
国籍/代表歴 : ロシア代表
生年月日 : 1995/10/17
利き足 : 左
アタランタから加入したチャンスメイカー。繊細な左足のテクニックは創造性に富んでおり、得点力もアシスト力も兼備している。ユリッチの師匠であるガスペリーニの下で2シーズンプレーしているためトリノの戦術への適応も問題は無い。開幕節モンツァ戦で先発出場しいきなり得点を挙げる活躍を見せたがその試合で負傷離脱。ただ復帰は間もないと言われており、第8節ナポリ戦あたりから復帰出来る見込みだ。
センターフォワード
9. アントニオ・サナブリア / Antonio Sanabria
国籍/代表歴 : パラグアイ代表
生年月日 : 1996/3/4
利き足 : 右
ワンタッチの技術の高さやスペースでボールを受け起点となれる動きなど、クレバーなプレーがストロングポイント。チャンスメイクの局面では元々貢献度は高かったものの、今季から背番号9を背負うため新たな得点源としての期待も掛かる。彼がペナルティエリア内で決定的な仕事が出来るかがトリノの今季を占うと言っても過言では無いため、まずはペッレグリからレギュラーを守り抜きたい。愛称はトニー。
11. ピエトロ・ペッレグリ / Pietro Pellegri
国籍/代表歴 : U-21イタリア代表
生年月日 : 2001/3/17
利き足 : 右
15歳での鮮烈なプロデビュー以降、度重なる負傷にキャリアを妨害されてきた若きストライカー。モナコやミランでは結果を残せなかったが、未だに高いポテンシャルを秘めている事はピッチでのパフォーマンスからも見て取れる。自身をジェノアでプロデビューさせた監督であるユリッチの下、継続的にプレー出来ればその才能も花開くはずだ。よりチャンスメイカー寄りのサナブリアとは異なり純粋な9番タイプのため、今季は2人を使い分ける起用法が主となりそう。