トリニスタのイタリア紀行③〜Ciao, i nostri campioni〜
聖地でグランデ・トリノに挨拶
今週、我らがトリノというクラブにとって最も重要とも言える場所に行ってきた。スペルガ大聖堂だ。かつてイタリアのみならず欧州中にその名を轟かせた伝説のチーム、ACトリノの一行を乗せた飛行機が墜落した場所である。詳しくはトリノFCを応援する理由 - Giappone Granataに書いているのでご覧頂きたい。
スペルガ大聖堂は、サヴォイア王家のヴィットーリオ・アメデーオ2世が18世紀、フランスとの戦いに勝利したことを記念して建立した聖堂だそう。「サヴォイア家の王宮群」の中の一つとして世界遺産にも登録されている、非常に歴史のある建造物だ。聖堂がある丘の上までは標高約670メートル。見晴らしの良い頂上までは木造の小さな電車(トロッコ?)で登るのだが、僕が行った日は空が少し曇っており残念ながら絶好の天気とは言えなかった。しかしチケット代6ユーロを支払えば登って降りて来られるのだから、天気がいい日にまた行こうと思っている。
写真ではうまく伝わらないかもしれないが、スペルガ大聖堂はその外装・内装共に非常に荘厳で優美な雰囲気を持っており、日頃「今のファウルじゃねえだろクソ審判ガァ!!」とか言ってる僕の汚れた心が綺麗に洗われていく気がした。聖母マリアにも「トーロがVARの恩恵を受けられますように」とお願いしてきたので、恐らく次節は勝てるはずだ(?)
聖堂の裏には、約70年前まさにこの場所で悲劇に見舞われた、グランデ・トリノの選手やスタッフのための慰霊碑がある。彼らを乗せた飛行機は大聖堂の外壁に激突したと語られているが、実際はこの慰霊碑の向かいの斜面に墜落したそうだ。
僕が行った日もカルチョファンと思わしき人が何人か来ており、僕がトーロのユニフォームを手にしているのを見たお兄さん(ウディネから来たらしい)が「ベロッティは最高のストライカーだね」と話しかけてくれた。なんだよ、それこそウディネーゼのケヴィン・ラザーニャにアッズーリでの立場を取って代わられたばっかじゃないか!悔しいのう、悔しいのうと思いつつ、写真を撮りたいという彼にユニフォームを貸してあげた。
そんなこんなでついにトリニスタとして聖地巡礼を果たしたわけだが、スペルガに眠る先代たちに恥ずかしい戦いを見せるわけにはいかない!という思いでこれからもトーロには頑張って欲しいところである。
なんと1日で3人ものカルチョ関係者を目撃!
これは先週の話だ。サン・カルロ広場(上の写真)という歴史的建造物に囲まれた広場があるのだが、ここを通りかかった時、あるカフェテリアのテラス席に着こうとしている体格のいい男性が目に入った。ゴツいなーこの人と思ってよく見てみると、なんとリャンコ・ヴォイノヴィッチだった!彼女と一緒にちょうど席に着いたところだったため、サインを貰いには行けなかったが、後で思い返せばこれはこの「あまりに運の良過ぎる1日」の始まりに過ぎなかった。
僕はリャンコが食事をしている店(めっちゃ高かった)とは別の店に入ったのだが、そこのテラス席で食事をしていると、なんとまたしてもトーロの選手が通りかかったのである。昨季チーム内得点王のイアゴ・ファルケが友人2人を引き連れて僕のすぐ後ろを通り過ぎていった!唖然としすぎてタイミングを完全に逃してしまい、リャンコに引き続きまたしてもサインを貰いに行けず...今思い返してもかなり悔しい。ダッシュするのを躊躇った自分に腹が立つ。この日のGazzettaの僕の点数は4.5くらいのはずだ。エムバイェ・ニ◯ンかよ...
さらに、「アナタなんでここいんの?」という人間にも会った。スーツを着た白髪のオッサンだ。何やら誰かと電話をしている。なんかガスペリーニに似てるな...
いや、ただ似てるのではない。まさかの本人だった!アタランタをヨーロッパリーグに連れて行ったイタリア屈指の名将がここで何をしているのか...夏にも動いたイアゴ・ファルケ獲得にまた動いてんのか...?そういえばさっきイアゴここ通ったな...とか考えていると3-4-3おじさんはどこかへ消えてしまった。その後TuttosportもLa Stampaも何も言ってなかったしただオフで遊びに来ただけだったのかな?
とにかく重要なのは「サン・カルロ広場でリャンコ、イアゴ、ガスペリーニの3人を数時間内に目撃した」ということである。最悪だ。誰にもサインを貰えなかった上、完全に運を使い果たしてしまった。トリノに来てからまだ2週間ほどだが、アンドレア・ベロッティ、リャンコ・ヴォイノヴィッチ、イアゴ・ファルケの3人に加えジャンピエロ・ガスペリーニに街中で偶然出くわしている僕にはこれからツケが回ってきそうだ。運が良すぎて怖い。恐らく、僕の人生はここから下降線を辿ることになると思う。今までありがとう。アーメン。
そういえば、宿敵の本拠地・アリアンツも訪問
ただの観光としてだ。大事なことなので繰り返す。ただの観光だ。宿敵とはいえユヴェントスのことを嫌いでもなく好きでもなくという僕だが、アリアンツ・スタジアムはやはり凄かった。セリエA復権のためにもそろそろビッグイヤー獲りやがれと思いつつスタジアムを眺めながら道を歩いていたその時、事件は起きた。
グランデ・トリノの先代たちは宿敵の本拠地に行くことを許してはくれなかったのだ。なんと...
アリアンツの前でウンコを踏んだ!!!!!!
すぐ側に水たまりがあったのは聖母マリアの救いだったのだろう。汚れはなんとかなったが、踏みつけた時のあの感覚は今も足に残っている...
とりあえず、この1週間は色んな意味で「ウンの付いた日々」となった。うん、これが言いたかっただけ説は濃厚である。
今回はここまで。次いつ書くかは決めていない。まあ気が向いたらまた書こうと思う。それでは、チャオ!