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トーロの3バックを徹底分析-データで見るトリノFC-

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攻撃陣がパッとしない中、なぜトーロはEL争いに踏み止まれているのか?

 

アルマンド・イッツォニコラ・エンクルコフィ・ジジ。この3人の働きがなければ、トーロはとっくにELの出場権争いから脱落していたところだ。第21節終了時点で、トーロ1試合平均11のボールロストを記録。不名誉なことにこれはリーグで5番目に多い数字だ。さらに、トラップミスやコントロールミスは1試合平均17.3。これに関してはなんとリーグワーストとなっており、トーロがいかに攻撃をシュートで完遂させられていないかを如実に示すデータと言えるだろう。

 

上記のデータは全てWhoScored.comから引用したが、もう少し数字を拝借するとしよう。次は守備陣に目を向けてデータを探ってみる。しぶとくEL争い戦線に踏み止まるトーロの秘密は、間違いなく彼らにあるはずだ

 

※ここから挙げる「リーグ〜位」というデータは全て「今季セリエAで試合に出場したセンターバックの中での順位」とする。

 

まず、セリエA初挑戦ながらここまで見事なパフォーマンスを見せるこのコートジボワールセンターバックから見ていこう。

 

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開幕後少し経ってからエミリアーノ・モレッティよりレギュラーの座を譲り受けたコフィ ・ジジは、主に3バックの左でプレー。ここまで13試合に出場し、センターバックとしてはリーグトップとなる合計10回のクロス阻止(1試合平均0.8回)を記録している。相手サイドアタッカーウインガーに対し、左右のセンターバックが対応することの多い3バックだからこそ必然的に数字も増えやすくはなるが、8試合に欠場しているということを考えれば、いずれにせよ素晴らしい数字である。

 

タックル成功数は28回でリーグ15位。1試合に平均すると2.2回の成功数を誇っており、彼の対人の強さを示すデータと言える。インターセプト23回でリーグ25位(1試合平均1.8回)、クリア数は49回でリーグ41位(1試合平均3.8回)とこちらもまずまずの数字だが、もうひとつ彼の3バックへの適応を示すデータがあった。ドリブル成功数である。3バックの左右でプレーする選手には、時に自らボールを前に運べる資質が求められるが、ジジにはそれが間違いなく備わっている。彼は今季ここまで試みた12回のドリブルを全て成功させているのだ。今季セリエAで10回以上ドリブルを試みた選手はジジを含め4人(ビラスキ、トロイ、アンデルセン)いるが、成功率100%を記録しているのはジジだけである。ここでは彼の高い足元の技術が数字に表れていると言えるだろう。

 

続いて、ここまで全試合にフル出場している我らがディフェンスリーダーの番だ。

 

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さっき書いた通り、ニコラ・エンクルはここまでセリエA21試合にフル出場今季未だ欠場がないセンターバックはこのエンクルエンポリのシルヴェストレ2人だけである。41回(1試合平均2回)を記録しリーグ6位インターセプト36回(1試合平均1.7回)でリーグ10位のタックル成功数、92回(1試合平均4.4回)でリーグ11位のクリア成功数などなど、彼がいかにオールラウンドな守備職人であるかがこれらの数字でご理解いただけるだろう。3バックの中央としてビルドアップの起点も担う彼は、ショートパス・ロングボール併せてパス成功率85%をここまで叩き出しており、攻守ともに存在感は抜群である。

 

数字には出ないが、彼の的確な指示で守備の歯車は回っており、冷静かつ堅実なそのプレーはもっと評価されて然るべきだろう(と筆者は何度も言ってきた)。常に安定したパフォーマンスを見せる彼なしで欧州行きは有り得ない。

 

最後は、驚異的な数字を叩き出している彼を締めとしてお見せしたい。是非ロベルト・マンチーニにも見てもらいたいのだが...

 

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WhoScored.comでの平均評価点、実に7.15アルマンド・イッツォは、7.18ジョルジョ・キエッリーニに次いでリーグ2位の平均評価点を記録している。出場停止で欠場した第20節ローマ戦以外全てとなる20試合に出場しているイッツォは、その対人守備の強さでタックル成功数リーグ3位(48回、1試合平均2.4回)、読みの鋭さとコースを先取る俊敏性でインターセプト成功数リーグ2位(46回、1試合平均2.3回)、183cmと上背はそこまでないが、その跳躍力と闘争心で空中戦勝利数リーグ2位(98回中65勝)の記録を叩き出しているセンターバックだ。アッズーリに呼ばない理由はもはや何もないだろう。

 

今季ジェノアから€1000万の移籍金で加入したイッツォだが、今となっては安い買い物だったと断言できる。あとは彼のアッズーリ復帰を願うばかり。3年後のW杯開催時は30歳センターバックとしては最も脂の乗っている時期なだけに、マンチーニには彼の招集をいい加減決断して欲しいものだ。

 

 

いかがだっただろうか?今回は今季のトーロを支える3人の守護者たちに焦点を当て、データとともに分析を行ってみた。今季後半戦は、彼らの働きに報いるようなゴールの数々をアンドレア・ベロッティをはじめとした攻撃陣には期待したいところだ。以上、あざっした!