カピターノに笑顔戻る!トリノ、ガッロ2発を含む4ゴールでサンプに快勝
敵地で強敵サンプドリアを圧倒し、貴重な勝点3を獲得!
4日日曜日マラッシにて行われた第11節サンプドリア戦は、1-4というスコアでアウェイのトーロが快勝を収めた。前節退席処分となっていた指揮官ワルテル・マッツァーリがベンチ入り禁止の中臨んだこのゲームは、フィオレンティーナ戦同様3-4-2-1のシステムを採用。フィジカルの強さを武器とする選手を多く揃えたトリノは、前線から激しいプレスを掛け続けほぼ完全に試合を支配した。主将アンドレア・ベロッティの久々の得点に加え、エースのイアゴ・ファルケのボレーシュート、さらにはアルマンド・イッツォの初ゴールも飛び出したトリノは、ヨーロッパリーグ出場権を争う直接のライバルを叩くことに成功している。
ドッピエッタのベロッティに復活の兆し!
採点表
GK
サルヴァトーレ・シリグ 7.0
こぼれ球を押し込まれ結局は決められる形となったが、クアリアレッラのリゴーレをストップしたレスポンスは流石の一言だ。彼はトリノが相手に与えた直近5つのリゴーレのうち、なんと4つをストップするという驚異的なデータを出しており、これは5大リーグの中でもシリグだけだというからビックリである。
DF
アルマンド・イッツォ 7.5
最高のパフォーマンスだった。古巣ジェノアへの恩返しという意味でも。いつも通り安定感バツグンの守備とビルドアップを見せた上、古巣のライバル相手にトリノでの初ゴールを記録した。4バックで機能するか未知数ではあるが、そろそろあの青いユニフォームに袖を通してもいいのではないだろうか?ロベルト・マンチーニには早急に検討願いたい。
ニコラ・エンクル 7.0
これまた粗を探すのが難しい。ファビオ・クアリアレッラという面倒なこと極まりないストライカーを相手に最後まで身体を張り続けた。また、いつものようにビルドアップにも貢献。プレスをものともしない足元のスキルとその落ち着きは、もはやトーロ名物と言えるだろう。「いつものように」と当たり前のように書いてはいるが、これも彼の実力あってこその話である。
コフィ・ジジ 6.5
エミリアーノ・モレッティを休ませられる選手として獲得したはずが、その期待を裏切った。やり過ぎだ。なんとほぼレギュラーを奪ってしまった。今季よりフランスからやって来たこのコートジボワール人DFは、粘り強い守備と堅実なビルドアップで早くもマッツァーリの信頼を獲得している。イッツォやエンクルとの連携も日に日に良くなっており、リャンコが完全復帰した際のレギュラー争いなどもこれから楽しみだ。
MF
ロレンツォ・デ・シルヴェストリ 6.5
アンドレア・ベロッティによる先制点をアシスト。さらにイアゴ・ファルケの3点目も彼のクロスから生まれたゴールだ。コンパクトに絞る守備陣形を敷いた古巣サンプドリアは、彼には相性が良かったと言える。右サイドの深い位置を何度も突き、対峙したニコラ・ムッルに完全勝利。相変わらずパス精度は高くないが、今節に関しては許容範囲だろう。
トマス・リンコン 6.5
サンプドリアの会長マッシモ・フェローロが試合後「トリノはサッカーではなくラグビーをしているようだった」と不満気にコメントしていたが、恐らくそのラグビー選手の背番号は88だ。フェローロ会長のコメントはともかく、リンコンがピッチ中央付近にいることを嫌がるチームは、サンプドリアのようなテクニカルなチームでも例外ではないということだ。
スアリオ・メイテ 7.0
球際という球際ほぼ全てに勝利。彼もリンコン先輩同様ラグビー部への入部が決まりそうだ。フィジカルに加え繊細なテクニックを兼備する彼は、セリエA初挑戦とはいえ試合をこなすごとに成長している印象だ。なお筆者は「メイテがこの試合でゴールを決めたらユニを買う」と宣言していたため色んな意味でヒヤヒヤしていた。
オラ・アイナ 6.5
フェローロは正しい。ここにもラグビー部がいた。こうして見ると3-4-2-1の「4」の部分は全員がラグビー部ということが今分かった。とにかく、ファルケの3点目はアイナのアシストである。マッツァーリの要求する「クロスボールに対しては逆サイドのウイングバックもエリアに侵入する」という規則を忠実に守りプレーしたからこそ生まれたゴールだ。
イアゴ・ファルケ 7.0
この試合でも決定的な存在だった。左足を警戒されやり辛そうではあったが、華麗なテクニックとシュート技術で「ラグビー部」における最高のアクセントとなっていた。しかしそれだけではないのがこの男。自陣深くまでフォールバックし相手に強烈なタックルを見舞ったシーンに象徴されるように、守備での貢献度も見逃すわけにはいかない。
ダニエレ・バゼッリ 6.5
リゴーレを献上したとはいえ、それを差し引いても「僕らの見たいバゼッリ」だった。シャドーでプレーした方が良さが出ることはもう火を見るよりも明らかである。特筆すべきは攻守に奔走するその運動量。他の「ラグビー部」とは違いフィジカルコンタクトが得意ではないように見えるものの、実は球際もかなり強い。攻守を繋ぐコンダクターとして申し分のない働き。
FW
☆アンドレア・ベロッティ 7.5
ガッロをマンオブザマッチにすること自体、いつぶりなのか全く思い出せない。 長く暗い道を歩いて来たカピターノは、久々にネットを揺らすことに成功した。ヘディングでのゴールはなんと約2年ぶり。リゴーレを含むドッピエッタで勝利に大きく貢献したガッロは、ようやく復活の兆しを見せはじめたと言えるだろう。トーロの躍進には彼のゴールが不可欠だ。
交代選手
アレハンドロ・ベレンゲル 6.5
ファルケとの交代で68分からピッチに入った。いつものウイングバックではなくシャドーの位置でプレーしたが充分に機能。流れを変えるジョーカーとしても有能な存在だろう。ソリアーノ(アイナだっけ?)とのコンビネーションで左サイドを攻略したシーンはまるでナポリを見ているかのようだった。継続性さえ身につけばレギュラー争いに加われるか。
シモーネ・ザザ、ロベルト・ソリアーノ
出場時間が短すぎるため採点不能。補強の目玉として加入した2人だが完全に出遅れていると言わざるを得ない。早急にトップフォームを戻し、本来の力を発揮してくれれば必ずトーロの武器となれるだけに、これからに期待したい。
メイテが出場停止となる次節、ソリアーノがスタメンへ?
次節はホーム開催のパルマ戦。パルマは昇格組とはいえ見事な戦いを見せているだけに、侮れば食われることになるだろう。なおこの試合、サンプドリア戦で今季4枚目のイエローカードを頂戴したメイテがサスペンションのため出場できない。そのため、バゼッリを一列下げソリアーノとファルケをシャドーで組ませた3-4-2-1が予想される。ソリアーノにとってはアピールのチャンス。この試合で結果を残し、レギュラー争いに火をつけて欲しいところだ。