Eterna Amistad 〜ユニフォームに刻まれた永遠の絆〜
セリエA第8節、ホームにジェノアを迎えたトリノは2-1で勝利を収めた。前節ナポリ戦の試合運びが嘘のように酷いパフォーマンスを見せたトリノは、クリスティアン・アスラニのクリアミスにより前半開始早々モルテン・トルスビーに先制ゴールを許す。しかしハーフタイムのロッカールームでの指揮官マルコ・バローニのブチギレや早い段階での選手交代が功を奏し、後半パフォーマンスを向上させ見事な逆転劇で試合終了のホイッスルを聞くことに成功している。
正GKフランコ・イスラエルの負傷によりゴールマウスに立ったアルベルト・パレアーリのスーパーセーブにより辛うじて勝点3を獲得した印象が強いが、今までのトリノなら確実に落としていたゲーム。内容は悪くとも勝利できたことが重要だろう。このいい雰囲気のまま2週間後のデルビー・デッラ・モーレを迎えたいところだ。

お披露目された今季のサードユニフォーム
ジェノア戦でデビューとなった今季のサードユニフォーム。黒を基調としたカラーリングに銅色のセカンドカラーが非常にモダンな印象を与える最高にかっこいい仕上がりとなっている。
こちらのユニフォーム、首元に注目するとEterna Amistadという文字、襷模様にトーロのシンボルが記されている。なんとなくイタリア語っぽくない語感であるが、これはスペイン語。永遠の友情という意味だ。そしてこの襷模様はアルゼンチンの名門リーベルプレートのシンボルである。

トリノとリーベルプレート、一体どんな絆で結ばれているのか。その絆の歴史は、75年ほど前にまで遡る。
1940年代、イタリア最強のクラブだったトリノ。彼らが残した実績は、セリエA5連覇を達成するなど今も伝説として語られている。しかしそんな彼らの伝説は、スペルガの悲劇と呼ばれる悲惨な事故によって突如として幕を下ろした。
凄惨な飛行機墜落事故によって選手・スタッフのほぼ全員を亡くし悲しみのどん底に突き落とされたトリノだったが、そんな彼らに手を差し伸べたクラブがあった。それがアルゼンチンの名門リーベルプレートである。
当時のリーベルの会長ヴェスプシオ・リベルティは、事故の犠牲者を追悼するためのチャリティマッチをトリノに提案。事故から約3週間後の5月26日に行われたこの試合はリーベルの本拠地エスタディオ・モヌメンタルに約6万人もの観衆を集めることとなり、チケット代等の収益全額が事故の犠牲者遺族へ寄付されたのである。両クラブの絆は、この出来事から生まれた。
Eterna Amistadは過去のシーズンにも
リーベルとの友情を表現したユニフォームは今季が初めてではない。セカンドユニフォームやサードユニフォームにリーベルの象徴である襷模様を採用したり、永遠の絆を表現するデザインを定期的に取り入れている。

また、リーベルプレートもトリノに対する友情をセカンドユニフォームのカラーをグラナータ(エンジ色)にすることで表現している。

70年以上も前から続く硬い絆で結ばれたトリノとリーベルプレート。近年この両チームが親善試合を組むことは無くなったが、グランデ・トリノの歴史を辿るべくトリノまでセリエAの観戦に訪れるアルゼンチン人サポーターも非常に多い。スペルガ大聖堂の裏に建立された慰霊碑にもリーベルのタオルマフラーが飾ってある。
Eterna Amistadで結ばれた両クラブの絆。国や大陸は違えど、あなたの応援するクラブにもそういった存在がいるかもしれない。ぜひ調べてみてはいかがだろうか。