トリノFC情報局

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【国内屈指の有望株を確保!】冬の移籍市場まとめ

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指揮官イヴァン・ユリッチの下、なかなかのパフォーマンスを見せ一桁順位でのフィニッシュも現実的な目標となっている今季のトリノ。最終日での駆け込み補強が目立った夏の市場同様、今回のカルチョメルカートでも比較的大きな動きを見せた。高額年俸を受け取りながらも余剰人員と化した何人かの選手達を放出する事で人件費の削減に成功し、さらには若く将来性のある才能を迎え入れる事にも成功。トリノは毎年冬の市場ではほとんど動かないが、今回のメルカートカイロ政権発足後最も補強に投資した冬のウィンドウとなった。

 

早速だが今回クラブにやって来た選手・クラブを去った選手について見ていこう。

 

IN

DF

ハメド・ファレス ← ラツィオ(買取オプション付ローン。オプション料€600万)

 

MF

サムエレ・リッチ ← エンポリ(買取義務付ローン。移籍金€800万+ボーナス€200万)

 

FW

デンバ・セック ← SPAL(完全移籍。移籍金€400万)

ピエトロ・ペッレグリ ← モナコ(買取オプション付ローン。オプション料€650万)

 

OUT

GK

ラズヴァン・サーヴァ → クルージュ(完全移籍。移籍金不明)

 

MF

ダニエレ・バゼッリ → カリアリ(完全移籍。移籍金不明)

トマス・リンコンサンプドリア(ドライローンだが契約残り半年のため実質フリーでの退団)

ベン・ラシヌ・コネ → クロトーネ(ドライローン)

 

FW

シモーネ・ヴェルディサレルニターナ(ドライローン)

 

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最も大きなサプライズはやはりイタリア屈指の有望株であるサムエレ・リッチの獲得だろう。国内外の列強たちからの関心も報じられていた中、エンポリにいち早く接触を図ったトリノが電光石火の動きで釣り上げる事に成功した格好だ。本日2月22日時点でまだ公式戦デビューは果たしていないが、古巣エンポリとは真逆と言ってもいい戦術で戦うトリノへの適応に時間が掛かるのは当然。しかし前節ユヴェントス戦でロランド・マンドラーゴラの累積警告が4枚に達したため、次節カリアリ戦でスタメンデビューを飾る可能性があるとの事だ。ユリッチの下で更なる進化を遂げるリッチのプレーに注目していきたい。

 

その他にはモハメド・ファレス、デンバ・セック、ピエトロ・ペッレグリらがトリノに加入。ファレスに関してはトリノが数年前から目を付けておりようやく入団の運びとなったが、加入直後の練習で前十字靭帯を損傷する大怪我を負いトリノで一試合も試合に出る事なくローンバックされる事が濃厚となってしまった。ローン延長という道なら残留の可能性はあるかもしれないが、非常に残念ながら返却が確実だ。

 

セックは昨季ボローニャ移籍が決まりかけていた経緯もあり、他にもセリエAのいくつかのクラブから関心を寄せられていた右ウインガーレフティで、長い手足を活かしたトリッキーな仕掛けでゴールに迫るプレーを得意とする21歳のセネガル人アタッカーだ。彼を連れて来たダヴィデ・ヴァニャーティSDについては「SPAL時代スパイクを買ってくれた恩人」と語っており、その恩に報いる活躍が期待される。

 

最後はジェノア時代ユリッチが自らの手でデビューさせた"元神童"ピエトロ・ペッレグリ。若くして育成の名門モナコでのプレーを選んだものの度重なる負傷に苦しみ完全に伸び悩んでいる印象だが、トリノ恩師ユリッチが指揮官を務め父マルコがチームマネジャーとして在籍するクラブ。さらにはペッレグリがプロデビューを飾った試合はなんとスタディオ・オリンピコ・グランデ・トリノでのトリノ(ちなみにトマス・リンコンとの交代でピッチに入った)と来ている。再起を図る環境は整っているため、心機一転頑張って欲しいところだ。

 

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クラブを去った選手については基本的に戦力外同然の扱いだった選手達だが、ダニエレ・バゼッリやトマス・リンコンなどここ数年のトリノの中盤を支えた元主力の退団はやはり寂しいものがある。その他にもユリッチとの対立が囁かれたヴェルディや母国復帰を選んだ下部組織上がりのサーヴァ、セリエBでの武者修行に旅立ったコネなどがクラブを去ったが、戦力的なダメージはほぼゼロ。メルカート閉幕後デニス・プラートが今季絶望となる怪我を負ってしまったため即戦力となるトレクァルティスタの補強もしておきたかったところだが、こればかりは結果論なので仕方がない。放出による移籍金収入はほとんど無いに等しいが、冒頭にも記した通りチーム内でも上位となる高額年俸を受け取っていた選手達(バゼッリ、リンコンがそれぞれ€140万。ヴェルディが€170万)の放出により人件費の節減に成功したのは大きな成果だろう。

 

冬のカイロにしては珍しく積極的な投資を行なった今回のメルカート。今後半年でチームにどのような影響をもたらせるかに注目だ。