トリノ、アンフィールドの地で欧州レベルを体感
アンフィールドで行われたリヴァプール戦は、1-3の敗北という結果に。圧倒的な力の差を目の当たりにさせられる試合だった。ここまでのプレシーズン、継続して無失点を誇った守備陣も、昨季CL準優勝チームを前に3失点を喫した。
しかし今はプレシーズン。大事なのはスコアではない。負けはしたが得るものは大きい遠征だったと思う。モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネの3トップを相手にほぼ守備練習のような試合展開だったが、守護神シリグを中心にむしろ良く耐えた方だと言っていいだろう。
力の差こそあったが、大崩れしたという印象はない。リヴァプールを苦しめるシーンも何度かあった。難しい試合だったが、これが欧州クラスの戦い。本気でEL出場を狙っているトリノにとってこういった相手と戦えた事は、非常に良い経験値となってチームに蓄積された事だろう。
得点者 : 21’ フィルミーノ(リヴァプール)、24’ ワイナルドゥム(リヴァプール)、31’ ベロッティ(トリノ)、87’ スタリッジ(リヴァプール)
選手採点(Toro News)
シリグ 7
ブレーメル 7、エンクル 6.5(88’ フェリーグラ -) 、イッツォ 6.5(68’ モレッティ 6)
デ・シルヴェストリ 6.5(88’ パリジーニ -)、メイテ 6、リンコン 5.5(79’ ヴァルディフィオーリ -)、バゼッリ 6(70’ アンサルディ 6)、ベレンゲル 5.5(79’ ルキッチ -)
ファルケ 5.5(59’ エデラ 6)、ベロッティ 7(79’ ニアン 6)
ベロッティの得点は大きな収穫。ブレーメルも好パフォーマンス
予想通りほとんど守勢に回らざるを得ない試合となったが、そんな中でも得点をマークした主将ベロッティ、マネを抑え込んだブレーメルらのパフォーマンスは好印象だ。特にブレーメルについては、獲得は正解だったと既に認定しても良さそうだ。
鋭い読みで幾度となくインターセプトを繰り返したブレーメルは、今季のレギュラー争いに名乗りを上げてもおかしくはないだろう。ブラジル人らしく足元の技術も高く、欧州初挑戦とは思えないその堂々たるプレーぶりは、昨季のリャンコを思い起こさせる。このタイミングでマネのような選手と対戦できた事は、彼の成長を大きく助けるはずだ。
あのプレーではアンカーは任せられない
反対にネガティブな印象を残した選手も当然いる。まずトマス・リンコン。3センターのアンカーという役割を任されながら、「安定感」とは程遠いパフォーマンスだった。強みであるはずの対人守備も冴えず、回ってきたボールを捌く事もできていなかった。あのプレーでは正直アンカーを任せることはできないだろう。
次にアレハンドロ・ベレンゲル。今日も左のウイングバックで起用されたが、相変わらず期待外れ。「このポジションにいかに補強が必要か」を再認識させられただけだった。前を向いて仕掛けた時のドリブルは素晴らしいものを持っているのだが、パス精度と判断力、そして何より攻守のバランス感覚が圧倒的に足りていない。
昨季はアンサルディ不在時このポジションで好プレーを披露していたベレンゲルだが、あくまで彼のウイングバック起用はオプションとしてのチョイスに留まりそうだ。仮に残りのメルカートで補強が成功した場合、退団も可能性として出てくるだろう。
3-5-2のテストは失敗ではない。補強ポイントもより明確となった
先述の左ウイングバック、中盤の補強に動いていると連日報じられるトリノだが、この試合で補強の必要性が確実となった。今回の遠征では欧州クラスのチームと対戦できたこと、メルカート今後の指標を見つけたことなど得たものは多い。今日の試合を糧に、EL出場権獲得へ向け進むのみだ。