トリノFC ここまでのメルカートと今後の動き
8月に入り、メルカートも残すところ約2週間となった。今回は、EL出場圏内を目標に掲げ、戦力アップを目指すトリノのメルカートについて、ざっくりと書いていく。
【主な獲得】(8/4現在)
GK
アントニオ・ロザーティ ← ペルージャ(フリートランスファー)
DF
アルマンド・イッツォ ← ジェノア(完全移籍、€1000万)
グレイソン ・ブレーメル ←アトレチコ・ミネイロ(完全移籍、€600万)
ニコラ・エンクル ← リヨン(買取OP行使、€350万)
エリック・フェリーグラ ← フィオレンティーナ(買取OP行使、€15万)
アルリンド・アイェティ ← クロトーネ(ローンバック)
MF
スアリオ・メイテ ← モナコ(完全移籍、アントニオ・バレーカとのトレード)
サシャ・ルキッチ ← レバンテ(ローンバック)
FW
エムバイェ・ニアン ← ミラン(買取義務発動、€1200万)
ヴィタリエ・ダマシュカン ← シェリフ(ローンバック)
マッティア・アラム ← エンテッラ(ローンバック)
ヴィットリオ・パリジーニ ← ベネヴェント(ローンバック)
【主な放出】(8/4現在)
GK
アルフレッド・ゴミス → SPAL(買取OP行使、€150万)
ヴァンヤ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチ → SPAL(ローン)
DF
クリスティアン・モリナーロ → フロジノーネ(フリートランスファー)
アントニオ・バレーカ → モナコ(完全移籍、スアリオ・メイテとのトレード)
ニコラス・ブルディッソ → フリー
MF
サムエル・グスタフソン → ヴェローナ(ローン)
FW
ルーカス・ボジェ → AEKアテネ(ローン、買取OP€750万)
マヌエル・デ・ルーカ → アレッサンドリア(ローン)
GK : ロザーティの獲得で陣容は完成
去就が一時騒がれた守護神シリグも、クラブとの契約を2022年まで延長し残留が確実に。
SPALへローン修行の旅に出た第2GKヴァンヤの穴埋めとしては、ペルージャからベテランGKのロザーティをフリーで獲得することに成功している。今季はシリグ、イチャーソ、ロザーティの3人体制でGKのポジションを回していくことになりそうだ。
残るは放出作業。若手ザッカーニョのローン先を早急に決める必要があるだろう。
CB : さらなる補強はリャンコ次第?
センターバックではブルディッソが退団したもののイッツォ、ブレーメルらを獲得、新星フェリーグラの確保にも成功。
しかし「これで終わり」ではない可能性もある。ボルミオでのキャンプ中にボニファーツィが負傷、1ヶ月ほどの離脱を余儀なくされた。さらにリハビリ中のリャンコも経過は良好なものの、まだ本格復帰は先の話だ。
3バックの本格導入に当たり、選手層に厚みを持たせたいマッツァーリは、インテルでの教え子フアン・ジェズスの獲得をクラブへリクエストしているようだ。しかしジェズスはCLまたはELでのプレーを望んでおり、現時点ではトリノ移籍にあまり興味がない様子。彼の説得が困難な場合は、代替案として挙がるズカノヴィッチ、フェッラーリへシフトチェンジすることになるだろう。
WB : 確実に補強が必要なセクション
ファーストチョイスは右デ・シルヴェストリ、左アンサルディで問題はない。だが、1年間シーズンを戦っていく上でベンチを充実させる必要は確実にある。
右はデ・シルヴェストリに加えアンサルディも対応可。ベレンゲルに加え、ここにきて残留の可能性が高まってきたパリジーニもこちらで計算されることになりそうだ。
問題は左。セカンドチョイスのベレンゲルがやや心許ないことから、様々な選手が獲得候補に挙がっている。中でもギブス獲得は難易度も低く、非常に良い選択肢の一つだ。本人からは既にイエスの返答があったとの報道もあり、案外獲得は近いのかもしれない。
MF : 放出がなければ、新戦力の到着もナシ?
ルキッチのローンバックに加えメイテも獲得したが、放出作業は一向に進んでいない。放出リストに記載されているヴァルディフィオーリ、アックア、オビのうち、少なくとも2人は売却する必要があると言える。
補強についてはクルニッチ獲得交渉が進行中と伝えられるが、ペトラーキもコメントしている通りまずは戦力の整理を行わなければならないだろう。ヴァルディフィオーリにはSPAL、オビにはセルタとパルマ、そしてアックアはエンポリが興味を示しており、クルニッチ獲得交渉にアックアが含まれる可能性も充分ありそうだ。
FW : ニアンの売却が決まればザザ獲得へ
ザザ獲得への動きがさかんに報じられているが、ニアンの売却がない限り実現は不可能だ。しかしザザの代理人も明かしている通りトリノの彼への関心は本物。人気銘柄と化しているニアン売却でザザ獲得へ向かう可能性は低くないだろう。
バロテッリ獲得の噂もまだ消えてはいないが、彼の場合年俸が€500万とトリノにとってはあまりに高過ぎる金額だ。こちらは憶測の域を出ないと見られる。
まとめ : 余剰戦力の放出無くして新戦力到着は難しい。スカッドの整理が急務
アックア、オビ、ヴァルディフィオーリ、ニアンに加えローンバック組のアイェティやアラムなど、放出リストに記載された選手はまだ誰一人として換金されていない。EL争いを演じるにはまだまだ補強が必要。残り2週間でスカッドの整理を行わなければ、補強資金の工面にも苦労することになりそうだ。